子離れの瞬間

日記
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この春、次男が新社会人として社会へ羽ばたきました。
就職先は、九州から遠く離れた関東方面。いよいよ本当の意味で「親元を離れる」タイミングが来たのです。

大学時代もひとり暮らしはしていましたが、当時のアパートは車で行ける距離。数か月に一度は「お米を届けに行くね」と口実を作って、掃除や片付けに出向いていました。

思い返せば、最初にひとり暮らしを始めた頃は、反発心も強くて、自分で勝手にアパートを探して飛び出していきました。料理は楽しんでいたようですが、掃除や片付けはまったく手が回っていない様子。私の心配は尽きませんでした。

でも、そんな彼も次第に変わっていきました。
4年の間に、「仕事終わってから夕飯作るって、母さんすごいね」と言ってくれるようになり、片付けのあとには「ありがとう」と口にするまでに成長していました。

大学卒業を控えた2月、彼はアパートを引き払い、実家で約1か月半を一緒に過ごしました。卒論やバイトに追われながらも、バイトのない日は車で駅まで迎えに来てくれたり、週に一度の作り置きのお手伝い、食器洗いもしてくれました。

ある日は、「先にお風呂入って、ゆっくりご飯食べていいよ」と夕飯を用意してくれて――
思わず、「こんな待遇、結婚してから初めてだわ」と言うと、本人はちょっと驚いたような、嬉しそうな顔をしていました。

私はこれまで、心配ばかりして、つい手を出してしまう母親でした。けれど、いつの間にか、そんな彼に心配される側になっていたのです。

「歯医者行った?」「変なものに騙されないようにね」なんて言われて、まるでおばあちゃん扱い(笑)。休日には植物園にも付き合ってくれて、限られた時間を私と過ごそうとしてくれた彼の姿が、忘れられません。

もう、大丈夫。
もう、心配はいりません。
ちゃんと大人になった。

年末年始には、ボーナスで私を旅行に連れて行ってくれる計画もあるそうです。
「海外も行きたい?」と聞かれて、冗談まじりに「死ぬまでにもう一度フランスに行きたいな」と言うと、「よし、行こう!」と笑ってくれました。

でも正直、「彼女ができたからゴメン」って言ってくれる日が来るのも、母としては嬉しい気がします。

見送った空港では、寂しさと同時に、私も新しい一歩を踏み出そうという気持ちが湧いてきました。

…とはいえ、5月のゴールデンウィークにはさっそく帰省の予定(笑)。

どんな顔つきで戻ってくるのか、今から楽しみにしています。

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